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児島虎次郎記念館、津久井利彰さん特別展 12月末で閉館へ

児島虎次郎「朝顔」(左)と津久井利彰さんの「うつりかわる兆し」(右)

児島虎次郎「朝顔」(左)と津久井利彰さんの「うつりかわる兆し」(右)

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 倉敷・大原美術館(倉敷市中央、TEL 086-422-0005)で現在、企画展「AM倉敷 津久井利彰-はじまりを求めて-」が開かれている。

立体作品「はじまりを求めて」

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 アーティストが倉敷との出会いを通じた作品を制作し公開する「AM倉敷(Artist Meets Kurashiki)」事業の15回目で、フランスを拠点に自然と人間との関係を問う作品を手掛けてきた津久井利彰さんを招へい。今年12月で閉館する分館・児島虎次郎記念館での最後の企画展でもあることから、同美術館の礎を築いた洋画家・児島虎次郎へのオマージュを込めた展示を行っている。

 「虎次郎はエネルギッシュな人だったのでは。歴史に造詣も深く、作品に深みがある」と話す津久井さん。メイン会場となる児島虎次郎記念館では、虎次郎の各作品のイメージに合わせて作品を展示し「共演」を果たす。

 テンペラ画の作品群「うつりかわる兆し」では、絵具を塗り重ねては削る作業を繰り返して緻密で色鮮やかな模様を持つ作品に仕上げた。「答えが1つではない現代の混沌(こんとん)としたものを表現している」と話す。「制作においては完成図に向けて作るのではなく、自然を見つめながら、迷いながら進んでいく。たくさん失敗しないと新しいものは生まれてこない」とも。

 同美術館・分館前の芝生には、陽極酸化による彩色を施したステンレスを組み上げた高さ約3メートルの新作「はじまりを求めて」を展示する。「美よりも自然のエネルギーを感じさせるものを追求している。アーティストは、万人が『美しい』と認めたものではなく、何か得体の知れないものを求めていくもの。作品に対する答えは1つではないので、『なんだろう?』と思ってもらえれば幸せ」と話す。

 児島虎次郎記念館は今年12月いっぱいでの閉館後、虎次郎の作品は本館で展示予定。2020年には、旧中国銀行倉敷本町出張所(国登録有形文化財)を改装して常設展示する予定。

 開館時間は9時~17時。月曜休館。入館料は、一般=1,300円、大学生=800円、小・中・高生=500円。12月27日まで。

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