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倉敷で「犬島ハウスプロジェクト」ワークショップ-巨大イヌ像の表面タイル制作

造形作家・川埜龍三さんと巨大な「イヌ」

造形作家・川埜龍三さんと巨大な「イヌ」

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 倉敷の「川埜龍三オフィシャルギャラリー ラガルト」(倉敷市阿知3、TEL 090-7776-6878)で3月2日・3日・4日、瀬戸内海に浮かぶ犬島(岡山市東区)に設置される大型イヌ像の表面に埋め込む陶板タイルを制作するワークショップが行われる。

イヌの「体内」にも入れます

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 造形作家・川埜龍三さんが取り組む「犬島ハウスプロジェクト」の一環として行われる同ワークショップ。「犬島ハウスプロジェクト」は、犬島にある、おかやま山陽高校が所有する築30年の海の家(通称ホワイトハウス)を犬小屋に見立て、巨大なイヌの像(奥行き5.1メートル×高さ3メートル×幅2.4メートル)を恒久設置するもの。イヌの表面は、一般参加者が制作する約6000枚の陶板タイルを埋め込んで仕上げる予定。

 ワークショップでは各参加者が180グラムの粘土から陶板タイルを制作する。縦・横10センチ、厚み1センチ以内なら、形、数、テーマなどは全て自由。制作時間は約30分程度。「1つの粘土から大小合わせて2~3枚の四角いタイルを作るのがおすすめ」と川埜さん。

 同プロジェクトは2011年、おかやま山陽高校の学園長である原田三代治さんが「30年前に建てられた海の家に、未来の子どもたちに希望を与えられるような、わくわくするものを残したい」と川埜さんに持ち掛けて始まった。当初は海の家そのものに装飾するような造形物を検討したが、犬島に何度も足を運んでいるうちに「でっかいイヌの姿が見えた」という。「怒られるのを覚悟で『海の家は犬小屋になります』と学園長に伝えたら、怒るどころか大笑いしてくれた」と振り返る。

 「イヌ」は5月下旬に工房の前にある笠岡の埠頭(ふとう)を船で出発し、白石島、豊島、与島、牛窓などに立ち寄りながら2泊3日かけて犬島へ上陸する。「出港するのは港からではなく、工房として使っている築130年以上の蔵の目の前にある埠頭(ふとう)。かつて物資の積み下ろしで栄えていたこの場所に新しい役割を与えて復活させたい。イヌの旅を通して瀬戸内海の島と島、人と人とをつないでいきたいという思いがある。白石島では島の小中学生がカヤックでイヌを出迎える予定」と河埜さん。「大きなイヌが瀬戸内海の島々を渡っていく姿を多くの人に見てもらいたい」と、航行日程表も公開する。

 上陸後は、参加者によって作られた陶板タイルの埋め込み作業などを川埜さんが行い、8月中の完成を目指す。完成後は内部を見学できるオープンハウスを行う。海の家に上がり7畳間のふすまを開けるとイヌの「体内」に入れる構造で、漁業用のガラス製浮き玉で作られたイヌの目から瀬戸内海を見ることができる。「イヌが伏せている場所からは、犬島の由来となった『犬石様』という犬の形をした巨大な石がまつられている犬ノ島が見える。イヌが目と耳を右上に傾けて少しマヌケな表情をしているのは、『見たことはないけどいるらしい』という神話の存在を恐る恐るのぞきこんでいるから」と川埜さん。

 ワークショップは倉敷のほか、笠岡、京都、大阪などでも行うことが決定しており、材料と完成品を郵送でやりとりする形での参加も全国から受け付けている。「イヌはさまざまな人の思いが込められた6000枚以上のタイルに覆われて完成する。できるだけ多くの人に参加してもらい『私もこの作品を作っている』という感覚を共有してもらいたい」と参加を呼び掛ける。

 開催時間は各日11時~、13時~、15時~。参加費は「ワンコイン」で、会場に置かれた「ワン!コイン箱」に入れる。参加申し込みは同プロジェクト特設サイトで受け付ける。

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