倉敷・美観地区のギャラリー「工房IKUKO(イクコ)」(倉敷市中央1、TEL 086-427-0067)で現在、金工作家・佐故龍平さんの個展「佐故龍平 金工展」が開かれている。
岡山県玉野市生まれの佐故さんは、広島市立大学大学院芸術学研究科博士前期課程を修了後に工房を構えた。日本伝統工芸展・東京都知事賞、岡山県芸術文化賞・グランプリ、伝統工芸日本金工展・文化庁長官賞、伝統工芸日本金工展・特別記念賞などの受賞経験を持つ。
展示する作品は、花器、茶道具、酒器、アクセサリーなど60点。佐故さんの作品は、杢目金(もくめがね)という技法によって得られる豊かな模様が特徴。色の異なる薄い金属板を重ねて色の層を作り、加熱圧着した後、色の層を削って模様を出し、金づちでたたき伸ばしながら成形していく。
佐故さんは、人間国宝・玉川宣夫さんの作品を見たのがきっかけで杢目金に取り組み始め、試行錯誤を繰り返しながら独学で習得した。「最初のころは失敗することも多かった。ここ2、3年で『少しうまくできるようになってきたかな』と思えるようになった」と話す。
「本来、杢目金の模様は偶然的なものだが、自分は最終型から逆算して狙って出している。杢目金の新しい表現を追求し、今までにない杢目金の表情を出していきたい。金工はあまり知られていないが、これを機会にもっと知ってもらえれば」とも。
開催時間は10時~18時(最終日は17時まで)。月曜定休。12日・13日は佐故さんが在廊予定。今月13日まで。