倉敷・美観地区の恒枝陶芸店(倉敷市本町、TEL 086-425-2911)で現在、備前焼作家・恒枝直豆さんの個展「初窯展」が開かれている。
今年新設した窯で焼き上げた「初窯出し」の作品を展示する同展。皿、小鉢、ぐい飲み、コーヒーカップ、ビアマグ、コーヒードリッパー、花入れ、ピッチャー、動物の置き物など200点を並べる。
倉敷生まれの恒枝さんは、2001年から15年間、北海道富良野市に窯を構えて制作活動を行っていたが、昨年夏に浅口市に転居して新しい窯を築いた。「初釜は一般的に難しいといわれており、前の窯とは構造や大きさも変わっているので不安もあったが、何とか合格点を出すことができた」と恒枝さん。
作風については、「備前焼と聞くと飾っておいたり大事にしまっておいたりするイメージがあるが、いかに普段の生活で使ってもらえるかを考えている。『伝統工芸』というよりは『クラフト』『雑貨』のイメージで、『これは自分で使いたいかどうか』を基準にしている」と話す。
「北海道にいたころから飲食店との付き合いも多く、要望を聞きながら、持ちやすさ、重ねやすさ、薄さ、用途の幅広さなどを追求してきた。『備前焼』ということで気構えせず、『茶色い食器』として見て楽しんでいただき、家庭の中に取り入れてもらえれば」と来場を呼び掛ける。
開催時間は9時30分~18時。7月3日まで。