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倉敷で芸術家・川埜龍三さん個展 名画をキャンバスに、絵画25点

「あるがままの私の現実を見てはいけない」の解説をする川埜龍三さん

「あるがままの私の現実を見てはいけない」の解説をする川埜龍三さん

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 倉敷の「ギャラリー ラガルト」(倉敷市阿知3、TEL 090-7776-6878)で現在、芸術家・川埜龍三さんの個展「あるがままの私の現実を見てはいけない」が開かれている。

「真夜中の冒険」の解説をする川埜龍三さん

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 「さいたまトリエンナーレ2016」で発表された「犀(さい)の角がもう少し長ければ歴史は変わっていただろう」でのサイの埴輪(はにわ)や、瀬戸内海の犬島にある巨大な犬の像「犬島の島犬」など、近年は大型の造形作品を多く手掛けている川埜さん。今回初めて「絵画のみ」で展示を構成する。

 展示するのは川埜さんが今年制作した絵画25点。白いキャンバスに描くのではなく、世界の名画を集めた画集を解体してつなげ合わせ、その上から塗ったり、描いたり、切り貼りしたりして1枚の絵画を作り上げた。海外の古新聞や古雑誌なども素材に取り入れ、額縁も自身で作り上げた。モザイクアートでもコラージュでもない、多層的に描き込まれた絵画作品となっている。

 「子どものころは身の周りに画用紙がなかったので新聞の折り込み広告の白い裏地を使ってひたすら絵を描いていた。自分にとってはなじみのある創作体験」と川埜さん。「描いていく過程で、下地に使った名画のタイトルとの類似性や対比性にくすぐられることもあり、さまざまな発見があった」と振り返る。

 個展タイトルにもなった作品「あるがままの私の現実を見てはいけない」は、下地に使ったドイツの画家マックス・エルンストの同名作品から引用した。「制作中にその作品のタイトル部分だけが塗り残されていることに気付き、その言葉が心に引っかかった。言葉の意味はよくわからないが、自分の創作活動や心境に密着していると感じたので、タイトルにふさわしいと感じた」と話す。

 開催時間は11時~18時。火曜~金曜定休。12月30日~来年1月1日は休廊。入場無料。来年1月29日まで。

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