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倉敷・玉島で老舗店の工場・蔵見学ツアー、異業種の店主らが共同企画

江戸時代は村役場だった玉島味噌醤油の工場

江戸時代は村役場だった玉島味噌醤油の工場

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 350年前に築港され、現在も古い町並みが残る港町、倉敷市玉島で、仲買町の店主らが協力して独自の見学ツアー「玉島あるき」を行っている。

映画「ALWAYS 三丁目の夕日」のロケで使われた「港橋」と水門

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 同ツアーは、玉島味噌醤油(倉敷市玉島阿賀崎、TEL 086-522-3418)4代目店主の中野旬一さんが、「伝統ある町にもっと人を集める継続的な取り組みができないか」と、近隣店舗の店主たちに声を掛けて昨年11月にスタート。同店では以前から年間約1000人の見学を受け入れていたが、近隣の商店も個別に見学を受け入れていたことから、一つのまとまったツアーパッケージを組むことにした。これによって見学者の滞在時間を延ばし、玉島を深く知ってもらおうという試み。窓口を一つにまとめることで受け入れ側の負担が軽くなるメリットも生まれたという。

 ツアーは無料で90分程度。10~40人程度の団体を対象に、ランチなどの予算に合わせてプランを組む。メーンとなるのは仲買(問屋と小売りの中間業者)で栄えた仲買町。同店をはじめ、「菊池酒造」「白神紙商店」「吉田畳店」など、創業100年を超える老舗店の工場や蔵を案内する。「これら4店舗が徒歩数十秒圏内に密集しているのがこのツアーの特徴」と中野さん。プランに合わせて、江戸時代の堤防に沿って築かれた問屋街の土蔵、映画「ALWAYS 三丁目の夕日」のロケで使われた「港橋」と水門、羽黒神社、玉島魚市場、商店街なども案内する。

 スタートから約半年。これまでに地元の小・中・高校生、食物を学ぶ大学生、PTAの研修旅行、社員旅行、20人ほどのマイクロバスでやってくる老人会の小旅行などを受け入れた。「子供たちに昔の道具などを見せると非常に喜ぶ。今後は、旅行会社のパッケージツアーとのタイアップなども提案していきたい」と中野さん。「全ての店舗が近く、歩く距離も少ないので気軽に見学できる。玉島港の『潮の香り』、しょうゆ、みそ、酒、紙、畳の『店の香り』と、香り豊かな昔ながらのもの作りの町を堪能してほしい」とも。

 平日限定。予約制。プランの問い合わせは同店の中野さんまで。

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