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岡山の備前焼作家・藤田祥さんが今年初の個展 コロナ禍も歩み止めず

和気郡和気町にある登り窯と、備前焼作家の藤田祥さん

和気郡和気町にある登り窯と、備前焼作家の藤田祥さん

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 備前焼作家・藤田祥さんの個展「陶展」が現在、倉敷天満屋(倉敷市阿知1)で開かれている。

備前焼藤田祥さん引出し茶盌「銀鼠(ぎんねずみ)」

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 藤田さんは、和歌山県出身。和歌山市で陶芸を学んでいた時に、偶然触れた備前の土の肌触りの心地よさに魅了され、1998(平成10)年に備前陶芸センター(備前市伊部)に入学した。その後、橋本和哉さんの下、修業を経て2004(平成16)年に独立。昨年、「ギャラリーKai(カイ)」(同)を森大雅さん、馬場隆志さんとオープンした。

 同展は今年初めての展覧会で、今年4月に窯だきしてできた新作も多く出展する。作品は、抹茶わん、花入、ぐいのみ、とくりなど約150点を展示。作品を登り窯で焼成している最中に、外に取り出し急冷させた「引出し」や、窯の内部に煙を多く発生させて還元焼成を行うことで金属のような光沢を出した「彩備前」など、技法を楽しむこともできる。

 藤田さんは「コロナ禍で外出する機会が減ったからこそ、作り手としては歩みを止めず、新たな技法や表現に挑戦する期間として捉えた。小石を一つ一つハンドピックで取り除き、丁寧に土作りをした『地層』シリーズの作品は、長い年月をかけて体積した地層そのものを見てもらえる作品。大地の持つ力強さ、備前土の豊かさを感じてほしい」と話す。

 新型コロナウイルス感染拡大を受けて、全国で予定した個展も中止となった。藤田さんは「少しずつ回復しているようにも思えるが、まだ自宅で過ごす時間がこれからも長くなる。お気に入りの器を見つけて、新鮮な気持ちで日々を過ごしてほしい。備前焼は、釉薬(ゆうやく)を使わず、多彩な色模様を表現できる焼き物。魅力的な焼きもの文化が岡山県にあることも感じてほしい」と話す。

 開催時間は10時30分~18時(最終日は16時まで)。来月1日まで。

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