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倉敷・有隣荘などで森村泰昌さん企画展 美術・文学・音楽をつなぐ試みも

新作「何処(いずこ)から、いずこへ。」と森村泰昌さん

新作「何処(いずこ)から、いずこへ。」と森村泰昌さん

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 企画展「森村泰昌『ノスタルジア、何処へ。』-美術・文学・音楽を出会わせる-」が現在、大原家の旧別邸「有隣荘」(倉敷市中央1、TEL 086-422-0005)などで開かれている。

新作「M式・マグリットの男」

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 「有隣荘」で年2回行う特別公開に合わせた企画展。今回は、セルフポートレート作品で知られる美術家・森村泰昌さんを招いた。今回は初めて、有隣荘、大原美術館本館、児島虎次郎記念館の3カ所を展示会場とし、来場者が巡りながら鑑賞する「回遊式」の展示を試みる。

 森村さんは、大原家が創業したクラレとクラボウも関わった1970(昭和45)年開催の大阪万博の「せんい館」に着目。有隣荘では、当時20代だった森村さんが実際に目にしたという四谷シモンの「ルネ・マグリットの男」を展示するとともに、同作をモチーフにした森村さんの新作「M式・マグリットの男」を展示する。

 音楽にも造詣が深かった大原総一郎が大阪万博に向けて構想しながら実現しなかった音楽会場「十二面体音楽堂」から着想を得たオブジェ・スピーカー「ささやきの多面体」も展示する。総一郎にゆかりのある音楽や森村さん自身の声を素材にした音源を流し、美術と音楽が絡み合う空間を演出する。

 本館では、「美術×文学」をテーマに、森村さんが選んだ同美術館の展示作品21点の前で、森村さん自身がそれぞれの作品に合わせて選んだ詩歌を朗読する様子を映像化。来場者は自身のスマートフォンで映像にアクセスしながら作品を鑑賞する。

 児島虎次郎記念館では、関根正二の「信仰の悲しみ」をベースに、青木繁の「海の幸」との共通点に着目して独自の解釈を織り交ぜた新作「何処(いずこ)から、いずこへ。」を展示。過去の美術と現在の美術の出合いから未来の美術へとつなげることを試みる。

 森村さんは「明治から昭和の文化を振り返ると、美術、音楽、文学の世界がバラバラではなく結びついていた時代があると感じた。その魅力的な世界をもう一度振り返り、美術、音楽、文学が新しく出合う展示を目指した」と話す。

 開催時間は、本館=9時~17時、有隣荘=10時~16時、児島虎次郎記念館=10時~17時。料金は、セット券が一般=2,500円、高校・中学・小学生=1,000円、有隣荘のみが一般=1,000円、高校・中学・小学生=500円。10月20日・27日は休館。11月9日まで。

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