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倉敷で造形作家・川埜龍三さん個展「廃材創作」 「幻犬」など物語性込めた作品37点

造形作家・川埜龍三さんと「幻犬」

造形作家・川埜龍三さんと「幻犬」

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 倉敷の「ギャラリー ラガルト」(倉敷市阿知3、TEL 090-7776-6878)で現在、造形作家・川埜龍三さんの個展「廃材創作」が開かれている。

近くで見ると消える「幻犬」

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 川埜龍三さんは岡山県笠岡市にアトリエを構える造形作家で、2013年には瀬戸内海に浮かぶ犬島に、人間の家を犬小屋に見立てて巨大な犬の像をはめ込んだ造形作品「犬島の島犬」を完成させ話題を呼んだ。同展では、東京・調布の商店街や撮影所などで集めた廃材を素材として制作した作品37点を展示する。作品を置く台や額縁などにも廃材を使っているのが特徴。

 使った廃材は、バイオリン、さびた鉄板、テニスラケットのガット、流木、ボタン、手拭いの切れ端、コーヒー豆の袋など。「廃材を手にした瞬間に作品のインスピレーションが浮かび、それを突き詰めていった『計画的な』作品と、取りあえず手を動かしていく中で見えてきた『即興的な』作品がある。いずれにしても、ゴミを使ってゴミを作ることはしたくなかった。臭いの強い魚も手間をかけるとおいしくなるように、ゴミを物語性のある作品にまで持っていくための作業を大切にした」と話す。

 「王様と絵描き」は、金属の照明用フレームを手に取った瞬間に「王様の肖像を描く画家の姿が映像になって見えた」という作品。王様の王冠は映画のフィルム缶とシャンデリアの廃材で作った。モザイク作品「幻犬」は、アクリル板の色見本などを組み合わせていくうちに発想が生まれたという。素材の「サイズが大きく、数も少なく、パーツごとに縦横比も異なる」というモザイクに不向きな条件を逆手に取り、「近づくと見えないが、離れて目を細めると犬の姿が見えてくる」作品に仕上げた。

 川埜さんは「寝るのを忘れるほど作ることが楽しかった。自分の中の新しいチャックが開いたような感覚」と振り返る。

 開催時間は11時~18時。火曜~金曜定休。入場無料。5月30日まで。

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