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倉敷・有隣荘で画家・齋藤芽生さん作品展 「密愛村」シリーズなど新旧36点

齋藤芽生さん

齋藤芽生さん

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 倉敷・美観地区の大原家旧別邸・有隣荘(ゆうりんそう、倉敷市中央1、TEL 086-422-0005)で現在、「齋藤芽生(めお)-密愛村(みつあいむら)」展が開かれている。主催は大原美術館。

「地獄の境のガソリンスタンド」

 普段は非公開の有隣荘を美術展示空間として期間限定で一般公開する同展。画家・齋藤芽生さんの代表作の一つである絵画シリーズ「密愛村」の新旧作品をはじめ、同シリーズの世界観に合わせて制作した和服作品群「ドレス」と立体模型作品群「ハウス」を交えた全34点を展示する。

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 齋藤さんは現在、東京芸術大学美術学部准教授を務めており、「VOCA展2010」では佳作賞と大原美術館賞を受賞している。「密愛村」シリーズは、男女の愛や情念を主題とした架空の物語をベースに、幻想的な場面を緻密に描きこんだ組み作品。最新作「密愛村IV」(2016年、6点組)をはじめ、「密愛村III 暗夜婚路」 (2012年、6点組のうち5点)、同館が所蔵する 「密愛村」(2009年、9点組)を会場の各部屋に展示する。

 「夜、山あいの寂しい国道をずっと走っていると、急にドライブインの明かりが現れてくるという過去の経験から着想を得た、『どこでもないユートピア』のイメージが同シリーズの根底にある」と斎藤さん。夜を舞台にしたあでやかかつ退廃的なイメージの作品が多数を占める。「『現代アートは前向きで社会の役に立つもの』という風潮に抵抗している。日なたよりは日陰が好き。湿度を絵で表現したい」とも。

 和服作品群「ドレス」は、作品のコンセプトに合う柄の黒留袖(くろとめそで)を斎藤さんの母に仕立て直してもらい、作品に付随する詩から引用した一節を刺しゅうした。立体模型作品群「ハウス」は斎藤さんにとって初めての立体作品で、作品の世界観を共有する夜のモーテルやコーヒーショップなどの小型模型を並べる。

 「自分は旅が好きで、旅先で見た風景が書きためた文・随筆・日記などとマッチした時に作品になる。『密愛村』シリーズには『旅の記録』の要素もあるので、ライフワークとしてこれからも続けていきたい」と意欲を見せる。

 開催時間は10時~16時30分。入場料は、一般=1,000円、学生=500円。10月23日まで。

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