倉敷紡績(クラボウ)の経営や大原美術館の開館などさまざまな事業を通じて倉敷の発展に寄与した大原家の国指定重要文化財「旧大原家住宅」(倉敷市中央1)が4月1日、「語らい座 大原本邸」(TEL 086-434-6277)として一般公開を始めた。
同住宅は1795(寛政7)年に建築。土地の面積は約700坪で、建物の面積は約300坪。
土間には、5代目以降が残した言葉を障子に投影したり、立体化した文字を天井からつり下げたりする「ふりそそぐ言葉」や、8代目・總一郎と両親との間でかわされた書簡の一部を投影する「この家で」などのインスタレーションを展示する。
中倉では、「大原の歴史」では、初代・忠則から300年にわたる大原家の年譜や、7代目・孫三郎の愛用品や美術品などを展示する。読書家だった總一郎の蔵書約3000冊を並べたブックカフェも。離れ座敷からは庭を見渡すことができる。
山下陽子館長は「単なる記念館ではなく、学びのある場所、思いがけない出会いのある場所にしたい。『語らい座』には『catalyzer=触媒』の意味も込めており、この場で語り合い、学び、感じたことが、新しい発想や未来につながる『触媒』になれば。体験学習などを通じて未来づくりに貢献したい」と話す。
開館時間は9時~17時(入館は16時30分まで)。月曜休館。入館料は、一般=500円、高校生以下=400円、未就学児無料。