平成30年7月豪雨で被災した倉敷市真備町にある避難所・薗(その)小学校に8月1日、ボランティアで運営される「ゴリラカフェ」がオープンした。
主催は、機械メンテナンスを行う企業の茅野匠さんとSNSの呼び掛けなどで集まった仲間。遠くは熊本から親子で駆け付けた。茅野さんの小学生時代からのあだ名から「ゴリラカフェ」と名付けられた。カウンターには同小学校の先生が描いたゴリラの絵、多くの人のメッセージが記載されている。
茅野さんは、7月10日から同小学校で炊き出しを始めたという。豚丼、野菜スープ、キュウリの漬物などなるべくバランスの取れたものを提供した。体育館から出てこられない高齢者のところへサツマイモの金団など持って声を掛けて回ったという。
カフェは全て無料で、コーヒー、オレンジジュース、カルピス、緑茶、パンプキンとコーンの冷製スープのほか、ミルク・クラッシュアイス・生クリーム・シリアル・スライスアーモンド・チョコソースで作る「ゴリラフラペチーノ」も用意している。茅野さんは「カフェ業も目玉焼きすら作ったことはない。自分のできることをと考えていれば仲間が増え、カフェで少しの時間でもゆっくりしてもらえる場所ができた。ドリップしたホットコーヒーを飲んでホッと一息ついてほしい」と話す。
茅野さんは大雨の翌日、アウトドアショップへ行きカヤックで真備町に入り、屋根の上に取り残された12人の救出にあたった。先日、同カフェを訪れ再会を果たしたという。
カフェは被災者だけでなく、ボランティアの人、学校の先生などにも提供される。一人一人に「おかえり」と声を掛け会話をし、ホッと息をつけるカフェとして機能している。
営業は10日までを予定している。