岡山県・早島町のイグサ田で現在、農業体験イベント「夢が叶(かな)う☆願いをこめて植えるい草 はやしまい草栽培体験 本田準備~植え付け作業」が行われており、12月15日に植え付け作業を行う。主催は、農業や伝統文化を通じて地域活性化を推進する早島農業体験協議会(CLiP)。
イグサ栽培と花ござ生産は早島の伝統産業。最盛期の1964(昭和39)年には116ヘクタールの作付面積を誇ったが、生活様式の変化などにより急激に衰退。2000年には栽培農家がゼロになった。同イベントではイグサ栽培体験を希望するボランティア参加者を広く募り、伝統文化の復活と継承を図る。
作業を始めたのは11月末。放棄されていた約400平方メートルのイグサ田を草刈りから始めて整備した。参加者は全員未経験のため、地域の経験者による指導と協力を仰ぎながら、畦(あぜ)を作る作業や、トラクターでイグサ田を平らにならす作業などを行った。現在は、苗をほぐして植え付けやすいサイズの束にまとめる「株分け」を早朝から夜遅くまで行い「植え付け」に備える。「イグサに関わるのは初めてで、何も知らない状態から始めた。人手が足りておらず、大変な作業もあるが、今はイグサがかわいくてしょうがない。若い未経験者が地域の伝統文化を継承することに意味がある」と同協議会の野村明子さん。
植え付けたイグサは来年7月に行われる「早島・倉敷 花ござまつり」に合わせて収穫する予定で、畳にすると約30畳分という。収穫されたイグサは、「花ござ手織り技術保存会」が主催する体験教室の素材として提供するほか、鶴崎神社が毎正月恒例で展示する「干支(えと)の動物をモデルにした大型の造形物」の素材として奉納する予定。
「持ってきてほしいものは、暖かい服装と長靴、そして熱意と夢と願い事。願いを込めながら植えると、イグサと一緒に夢が育ち、神社に奉納されたころに夢がかなうイメージを描いて、楽しみながら参加してほしい」
現在行われている「株分け」、15日の「植え付け」ともに作業時間は9時から。参加無料で、参加希望者は常時受け入れている。詳細は同協議会のフェイスブックページで確認できる。