倉敷・美観地区の町家カフェ「三宅商店」(倉敷市本町、TEL 086-426-4600)が2月28日、10周年を迎えた。
江戸時代後期に建築された町家を改装し2004年2月29日にオープンした同店。店名は、同場所で戦前から営業していた日用雑貨・荒物店「三宅商店」から引き継ぎ、内装も明治頃の町家の姿に戻すような修繕を施した。店舗面積は60坪で、席数は32席。
主なメニューは、「三宅カレーセット」(850円)、「手作りケーキセット」(750円)、「季節限定パフェ」(850円)、コーヒー、紅茶(以上380円)など。
10周年を記念して「10周年スペシャルいちごパフェ」(1,000円)を期間限定で提供する。パフェには、イチゴとバニラのアイス、イチゴとココナツのソルベ、イチゴのジュレ、季節のフルーツ、ミルフィーユ風パイ、マカロン、そしてイチゴのスライスを載せる。イチゴは倉敷産でマカロン、アイスクリーム、ソルベなどは全て手作り。
「倉敷の本質は、表面的な街並みだけではなく路地に入ると見えてくる『人々の暮らし』にある。その魅力を発信する拠点として出店した」と店主の辻信行さん。「当店にはエアコンがないが、夏には戸を開放し打ち水をする。風鈴の音を聞き自然の風を感じながらかき氷を食べる気持ちよさを体験してほしい。不便で効率が悪くても暮らしの豊かさを感じられる。10年続けられたこと、年間5万人訪れてくれることは、その思いが伝わっている証しだと思う」とも。
「10年で大きく変わったのは、当店のある本町通りを歩く人の数。10年前は日中営業する飲食店はほとんどなく、有名な川沿いの通りに対して『裏通り』と呼ばれていた」と振り返る。今後の展望については、「ここで経験を積んだスタッフがそれぞれの故郷で『地域に寄り添った形のカフェ』を開いて、暮らしの豊かさを伝えていってもらいたい」と話す。
営業時間は季節ごとに異なり、3~6月は11時30分~17時30分(土曜は11時~20時、日曜は8時~)。10周年記念パフェの提供は4月上旬まで。