倉敷青陵高校(倉敷市羽島)の生徒が制作した倉敷美観地区のジオラマが現在、多目的文化施設「倉敷物語館」(阿知)で展示されており、来館する観光客らの注目を集めている。
ジオラマは、「白壁の町」として知られる倉敷川周辺エリアを150分の1スケールで再現したもので、サイズは縦2.3メートル×横1.8メートル。1年1組の生徒40人が6月から3カ月かけて完成させ、9月の文化祭で発表した。
ミニチュアの人物と車両以外は全て手作り。ジオラマの設計と制作を担当した秦享平さんは「地図を正確に写したり、川を掘ったり、横断歩道の線を引いたり、スポンジで木を作ったりと、どれも細かい作業で大変だった」と話し、紙で建物を作る担当の三橋未來さんは「大原美術館、倉敷アイビースクエア、阿智神社など、主要な施設は形も複雑なので作るのが大変だった。普通の家々も屋根の形は全て異なるので、作業は文化祭当日の朝までかかった」と振り返る。
ジオラマと合わせて、観光客に対してアンケート調査を行った結果や、美観地区周辺施設の歴史や伝統行事などをまとめた資料も展示する。調査・研究を担当した池田佳菜子さんと益富友紀さんは「観光客からは『トイレの数をもっと増やしてほしい』という声、近隣の商店街店主たちからは『駐車場が少ない』『居酒屋は多いがランチを食べられるカフェが少ない』などの声を聞くことができ、さまざまな課題を知ることができた」と話す。
一眼レフカメラで制作の一部始終を約2千枚の写真に収めた貝原賢多さんは「文化祭が終わった後も、このような形で多くの人に見てもらえる機会ができてうれしい」と話す。
開館時間は9時~21時(12月以降は19時まで)。入場無料。1月中旬まで。