鶏卵の生産と加工を行う阪本鶏卵(倉敷市南畝3、TEL 086-455-7370)が自社工場内に直売所を開いて3カ月がたった。
1966(昭和41)年創業の同社は鶏卵の卸売と加工品の製造販売を専門にしていたが、2011(平成23)年には井原市美星町に養鶏所を開設し養鶏事業に参入した。自家製発酵餌を使って8万羽の鶏を飼育しており、1日当たり約7万個の産みたて卵を集卵する。
直売所で販売するのは、自社ブランドの生卵「星の里たまご」、当日の朝に焼き上げるだし巻き卵(300円)、茶わん蒸し、卵豆腐(以上150円)、たまごサンド、プリン(以上350円)など。同社の鶏糞を肥料として使っている美星町産の野菜も販売する。
たまごサンドや当日焼きたての厚焼き卵などは販売日時を限定して販売しており、予約も受け付ける。「工場直売ならではの、ここでしか買えないものも提供したい。たまごサンドの人気は高く、開店前から行列ができて、開店と同時に売り切れることもある」と社長の阪本晃好さん。
直売所開設の理由について、阪本さんは「卵は相場変動が激しく、どれだけ頑張っていい卵を作っても利益が出にくい。スーパーのバイヤーに営業を掛けても、食べずに値段だけで振り分けられてしまう。実際に食べるのは一般消費者なので、その人たちに直接届けて評価してもらいたいと考えた」と話す。
「お客さまの声を直接聞けるので、今後の商品開発に生かすことができる。お客さまの顔が見えるようになったことで、社員たちにも前向きな変化があった。地域・近所の人との交流も生まれた。今後も地域に寄り添いながらやっていきたい。いずれは美星町の養鶏場にも直売所を開きたい」とも。
営業時間は9時~16時30分。日曜定休。