昨年の火災で閉業したラーメン店「ベトコンラーメン倉敷新京」(倉敷市帯高)が現在、再建を目指しクラウドファンディングで資金を募っている。
同店は1983(昭和58)年創業。ニンニクを効かせた「ベトコンラーメン」、野菜を山のように盛った「国士無双」など個性的なメニューを出す人気店だったが、2020年5月に火災で全焼した。2代目店主の赤木奉久さんが再建を目指したものの、さまざまな条件がそろわず難航していたところ、システム開発を手掛ける「オーユーシステム」(岡山市北区)が支援を申し出た。
同社の南石拓哉社長の実家が同店の近所だった縁もあり、「小さい頃から好きだった地元のアイコンを失くしたくない」と持ち掛け、再建と運営を引き継ぐことに。赤木さんは調理器具選びから料理の作り方まで全体の監修を手掛け、厨房(ちゅうぼう)にも立つことで「味の完全再現」を目指す。焼けた旧店舗を解体したのち店舗を新築する予定で、席数は14席から19席に増やすが、店内のレイアウトも極力変えずに再現する。
7月30日に始めたクラウドファンディングは、開始からわずか3日で目標金額の200万円を達成し、8月末で支援金額が460万円を超えた。再建プロジェクトを担当する同社の立石望さんは「ツイッターやクラウドファンディングサイトを通じて温かいコメントをたくさんもらい、本当に多くの人に愛されている店だと感じた。赤木さんと一緒に頑張って、復活を待ち望んでいるファンの期待に応えたい」と話す。
クラウドファンディングの募集は9月15日まで。営業再開は来年1月予定。