大原美術館による企画展「家族のかたち」が現在、倉敷・美観地区の大原家別邸「有隣荘(ゆうりんそう)」(倉敷市中央1、TEL 086-422-0005)で開かれている。
有隣荘は、大原美術館を創設した大原孫三郎が1928(昭和3)年に建設した私邸兼迎賓館。孫三郎が病弱であった妻・壽恵子を気遣い、家族だけでゆっくりと過ごせる空間を求めて建てた。普段は非公開だが、春と秋に行う企画展に合わせて一般公開している。
展示するのは、同館所蔵作品の中から家族を題材にした作品のべ13点(期間中の展示入れ替えあり)で、部屋ごとに「妻」「母子」「生と死」のテーマに分ける。
岸田劉生が妻であり娘・麗子の母でもある蓁(しげる)を聖なる存在として描いた「画家の妻」、アメデオ・モディリアーニが妊娠中の恋人を描いた「ジャンヌ・エビュテルヌの肖像」、熊谷守一が目の前で息絶えた息子の死に顔を描いた「陽の死んだ日」などを展示する。
同館学芸員の長谷川祐里さんは「家族のために建てられた場所で、それぞれの作家たちの家族に対する思いなどを想像しながら作品を楽しんでほしい」と話す。
開場時間は10時~16時。入場料は、一般=1,000円、小・中・高校生=500円。10月22日まで。