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倉敷のギャラリーで丸山智代さん銅版画展-会場内で制作実演も

銅版画家の丸山智代さん

銅版画家の丸山智代さん

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 倉敷の「川埜龍三オフィシャルギャラリー ラガルト」(倉敷市阿知3、TEL 090-7776-6878)で現在、丸山智代さんによる銅版画展「秘密の声が聞こえる」が開かれている。

コラボ作品「おしゃべりな吐息」

 物憂げな表情の女性をモチーフにした幻想的な作品を制作する丸山さん。同展では銅版画をはじめ、鉛筆とコンテ、シルクスクリーンなどの作品を計13点展示する。丸山さんの銅版画は「ビュラン」という鋭利な刃物で銅版を直接削っていく「エングレーヴィング」という技法で作られる。展示タイトルの「秘密の声」は、銅をビュランで削る時に出る「シュルル」という小さな音を意味するという。

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 丸山さんが「エングレーヴィング」の銅版画作品を展示するのは同展が初めて。銅版画を始めてから最初の10年は、薬品で銅版を腐食させて凹部を作り出す「エッチング」という技法で作品制作をしていたが、化学反応で発生する有害物質による人体や環境への影響を考え、6年前に「エングレーヴィング」に切り替えた。「『技法を変える』ということは10年積み重ねてきたものを捨てて一からやり直すこと。かなり悩んでの判断だった」と振り返る。1つの作品を作るのに1日3時間の作業で3~6カ月。エッチングと比べて3倍は時間がかかるという。「6年やってきて、やっと納得のいくものが作れるようになってきた」と話す。

 会期中は、会場に設置した作業テーブルで丸山さんが実際に制作作業を行う。展示作品の原版に手を加え続け、版ごとに作品を変化させていくという。展示作品数も会期中に20点前後まで増やしていく予定。

 会場は本来、現代美術家・川埜龍三さんの作品を常設展示する私設ギャラリーで、他の作家による展示は初めて。「ギャラリーに自分の名前を冠している以上、共同制作もやってみたかった」と川埜さん。お互いの描いたイラストを重ね合わせた「シルクスクリーン版画」の作品を2点制作した。2人は高校の同級生でもあることから「作業は大変だったが文化祭のような気分で共同制作ができた」と丸山さんは振り返る。

 「『銅版画やエッチングなどの名前を聞いたことはあるけどよく分からない』という人にもぜひ見に来てほしい。会期中に何度も足を運んで作品の変化も楽しんでほしい」と来場を呼び掛ける。

 開催時間は11時~18時。火曜~金曜定休。丸山さんは土曜・日曜在廊予定。2月25日まで。

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