日本初の民間天文台「倉敷天文台」(倉敷市中央2)で2月23日、「木星観望会~ありがとう!! 観測室~」が開かれる。築86年を迎える木造スライディングルーフ観測室はイベント後に解体され、「ライフパーク倉敷科学センター」(福田町古新田)に展示資料として移設される。
後に倉敷市名誉市民となる実業家・原澄治が1926(大正15)年に設立した同天文台。設立時に建てられた観測室は現在、国の登録有形文化財に登録されているが、老朽化と安全面の理由から移設が決まった。跡地には8月に新しい観測室と事務棟をオープンする。
今年は、同天文台主事を長年務め、生涯に彗星(すいせい)12個、新星11個を発見したアマチュア天文家・本田實の生誕100周年にもあたる。観望会では、本田實の娘・内藤光子さんが父親との思い出を話すほか、フリーアナウンサー森田恵子さんが「本田實が原澄治にあてた詩」の朗読を行う。
原澄治のひ孫にあたる同天文台事務局の原浩之さんは、岡山に戻ってきた3年前に同天文台で初めて見た木星に感動。それ以降、年に10回以上のペースで観望会を実施してきた。「愛着のある観測室が移転するのはとても寂しい。断腸の思い」と話す。
「こんなに明るい住宅街でも木星がはっきりと見える。この天文台のことをできるだけ多くの方に知ってもらいたい」とも。
開催時間は18時30分~20時。雨天決行。申し込みは同天文台事務局(TEL 086-422-0001)で受け付ける。