倉敷・美観地区の大原美術館(倉敷市中央1、TEL 086-422-0005)で、企画展「ARKO(アルコ)2013 坂本夏子」が開かれている。
坂本さんは1983(昭和58)年熊本市生まれ。2012年に愛知県立芸術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。「絹谷幸二賞奨励賞」「VOCA展2010 VOCA奨励賞」などの受賞歴を持つ。同美術館が毎年行っている芸術家の滞在制作事業「ARKO」の招聘(しょうへい)作家として33人の応募者の中から選ばれ、倉敷滞在中に制作した作品を発表する。新作14点と同美術館所蔵の作品1点を交えた15点を展示する。
滞在期間は約3カ月。制作は、大原美術館の礎となった洋画家・児島虎次郎の旧アトリエ「無為村荘(むいそんそう)」(酒津)で行った。
同展のメーンとなる油彩画「訪問者」は、自身が滞在制作したアトリエをモチーフにしており、200号キャンバス2枚を並べた大作(縦約2.6メートル、横約3.6メートル)。「滞在中に感じたこと、気づいたことを題材にした」(坂本さん)という作品群には、「ウィークリーマンション」「二人乗り」「大浴場」「昼寝」など身近なものを感じさせるタイトルが並ぶ。
制作環境について「自然の光が入ってきたりと、感覚を刺激するものが多かった。他のストレスがなく、制作に集中できる環境だった」と振り返る坂本さん。「次の作品につながるいい経験になった」とも。
開館時間は9時~17時。月曜休館。入館料は、一般=1,300円、大学生=800円、小・中・高生=500円。12月25日まで。10月19日には、閉館後に坂本さんと学芸員によるアーティスト・トークが行われる。