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倉敷・吹上美術館で樫尾聡美さん個展 触れて鑑賞する「布の空間アート」

新作「粒子」と樫尾聡美さん

新作「粒子」と樫尾聡美さん

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 倉敷の「吹上(ふきあげ)美術館」(倉敷市下津井吹上1、TEL 090-3634-3163)で現在、特別展「樫尾聡美展 -粒子-」が開かれている。

作品のクッションでくつろぐ子どもたち

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 樫尾さんは1984年愛知県生まれの染色作家。金沢美術工芸大学を卒業後、多摩美術大学大学院 テキスタイルデザイン領域を修了し、現在は岡山県立大学デザイン学部造形デザイン学科助教を務める。2012年に「第68回金沢市工芸展 入選」、2014年に「第7回岡山県新進美術家育成I氏賞 奨励賞」を受賞している。

 今回のメーンとなる新作「粒子」は、赤系の染色やプリントを施した布を天井からつるして空間を創造する縦約3メートル横約12メートルの大作。布に囲まれた中心部の床には同様の色と柄を施したクッションを敷き詰めており、来館者がクッションの上を歩いたり、寝転がったりするなど、作品に触れることができる。

 絵はシルクスクリーンでプリントし、色と柄は刷毛(はけ)を使ってコントロールしながら絵を描くように染めていく緻密な作業。製作期間は約3カ月。

 「布は、服などのように身に付けるものなので、以前から布に触れてもらえる展示をやってみたいと思っていた。赤は胎内のイメージで、クッションに寝転がってみると自分が粒子になったような感覚を覚える。例えば、風呂で目を閉じて浮かんでいると自分がどこにいるのか分からなくなっていく感覚に似ている」と話す。

 「クッションの触り心地も、とろけるような手触りを目指した。触れたり寝転がったりして楽しんでいただければ」と来館を呼び掛ける。

 開館時間は10時~17時。土曜・日曜のみ開館。入館料は500円、小学生以下無料。4月24日まで。2月28日15時からアーティスト・トークを行う。

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