倉敷市立美術館(倉敷市中央2、TEL 086-425-6034)で現在、「日本のアニメーション美術の創造者 山本二三(にぞう)展」が開かれている。
倉敷市50周年記念事業の一環で開催された同イベント。「未来少年コナン」(1978年)、「天空の城ラピュタ」(1986年)、「火垂るの墓」(1988年)、「時をかける少女」(2006年)など、さまざまな有名アニメ作品で美術監督を務めてきた山本二三さんの作品約220点を展示する。
展示するのは実際のアニメ作品で使われた背景画、作品の準備段階で世界観に基づいて描くイメージボードなど。山本さんが今年春に倉敷市内を取材し、実際に見た風景を基に描き下ろした新作「倉敷 記念日通り」も展示する。一部の背景画は、本来トリミングされて(切り取られて)見えない「バレ」と呼ばれる周辺部分まで見えるように展示しており、山本さんの筆のタッチを見ることができる。
「もののけ姫」(1997年)に登場する「シシ神の森」の背景画を立体化したセットに入り込んで撮影できるコーナーや、ポストカード、クリアファイル、額絵、Tシャツ、バッグなどのグッズ販売コーナーも用意する。
前野嘉之学芸員は「多くの人が知っている作品ばかりなので来館者の層も幅広く、10月末までに7000人が来場している。アニメではキャラクターに目が行きがちだが、背景があってこそキャラクターが生きる。『二三雲』と呼ばれるボリューム感のある雲の描写をはじめ、本物の描き込みを見ていただきたい」と呼び掛ける。
開館時間は9時~17時15分。月曜休館。入場料は、一般=800円、高・大学生、65歳以上=600円、小・中学生=200円。11月26日まで。