倉敷・下津井の名曲喫茶「時の回廊」(倉敷市下津井田之浦、TEL 070-5522-1622)が3周年を迎えた。
アンティークに囲まれた店内でクラシック音楽を流す「名曲喫茶」として2015年4月にオープンした同店。玉野出身の黒下兼多さんが空き家を1年半掛けて改装し、29歳の時に開業した。店舗面積は約30坪。席数は22席。
主なメニューは、コーヒー、紅茶(以上500円~、おかわり=200円)、オレンジジュース(450円)、クリームソーダ(650円)などで、母の清美さん、妻の麻衣さんによる自家製ケーキも用意する。コーヒーは、黒下さんが焙煎(ばいせん)したエチオピア・イルガチェフェを「モーツァルト」と名付け、豆を店頭やオンラインショップで販売する。
黒下さんが名曲喫茶と出会ったのは、東京で働いていた22歳の時に偶然見つけて入店した高円寺の老舗名曲喫茶「ネルケン」。「タイムスリップしたような感覚を覚え、『こんな映画のような空間があるのか』と衝撃を受けた。いつか自分も地元で名曲喫茶を開きたいと思い、名曲喫茶巡りをするようになった」と振り返る。
所有するレコードは約3500枚。店内には地元アーティストの作品を展示するギャラリーコーナー、地元作家のハンドメード雑貨を販売するコーナーなども設ける。
毎月1回のペースでクラシックのコンサートを開催するほか、毎月第2土曜は閉店後の1時間を使って「夜の音楽鑑賞会」(参加費=500円、コーヒー付き)を開く。「毎回テーマを決め、特定の曲や作曲家に焦点を当てて鑑賞する。クラブ活動のような感覚で、楽しみながら学んでいる」という。
「年配のお客さまが『懐かしい』と言ってくれるのがうれしい。若い人たちはソーシャルメディアなどを通じて知ってくれるようだ」と黒下さん。「みんながホッとできる場所にしたい。とにかく来てくれた人に喜んでもらえるように、これからもさまざまなアイデアを形にして表現していきたい」と意欲を見せる。
営業時間は10時~18時。水曜定休。