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倉敷・茶屋町の鮮魚店「魚春」が120周年 「時代に合わせて挑戦続ける」

5代目の光畑隆治さん(右)と母親の真規子さん(左)

5代目の光畑隆治さん(右)と母親の真規子さん(左)

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 倉敷・茶屋町の鮮魚店「魚春(うおはる)」(倉敷市茶屋町、TEL 086-428-2427)が今春、創業120周年を迎えた。

店内に並ぶ魚の切り身

 1898(明治31)年創業の同店。5代目の光畑隆治さんが母親の真規子さん、叔母の信子さん、姉の紀子さんとともに家族で営業する。

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 隆治さんは大学卒業後、一般企業に5年勤め、2007年に家業を継いだ。「もともと食べることが好きで料理も好き。おいしいものを食べたい、おいしいものを届けたい、という気持ちでやっている。『○○屋さん』と呼ばれる商売が減っている時代で続けていられることはありがたい。先代たちに感謝している」と話す。

 「茶屋町はこの10年で人口も大幅に増えたが、それに応じてスーパーも増えた。そのスーパーでさえも鮮魚コーナーが小さくなっており、家庭で魚を食べる時代ではなくなっている。魚市場でもこの10年で仲買も魚屋も半分に減った」と時代の変化を見つめる。

 「小売だけでは厳しい」と、近年は料理店や寿司屋への卸売りにも注力する。老人ホーム、学校、病院などへの販売ルートも開拓した。「魚をおいしく食べてもらえる提案ができるように」とイタリア料理の勉強もした。「パスタの具だと抵抗なく魚を食べてもらえる」と隆治さん。

 卸先の保育園では年に1回、解体実演も行う。「切り身が海を泳いでいるのではなく、魚には骨も血も内臓もあるということを伝えられる。子どもは舌も敏感なのでおいしい魚の味は記憶に残る。食育の一端を担えれば」とも。

 「父も祖父も時代の流れを読むことがうまかった。同じことをやっていては残れないので、これからもさまざまなチャレンジを通じておいしいものを届けていきたい」と意欲を見せる。

 営業時間は10時~19時。日曜・祝日定休。