平成30年7月豪雨で甚大な被害を受けた倉敷・真備町の復興支援のため千葉から訪れている男子大学生がこの秋、美観地区の観光人力車「えびす屋」(倉敷市本町、TEL 086-486-1400)の車夫としてデビューし、観光客をもてなしている。
千葉出身の大学3年生・佐々木傑(すぐる)さんは、豪雨災害が起きた10日後に復興支援ボランティアとして倉敷を訪れ、浸水した家屋の床や壁をはがしたり、腐った家具類を片付ける作業を行ってきた。「最初に被災地を訪れた時、日本ではないような光景が広がっていた」と振り返る。
「1回だけやって自己満足するだけの学生ボランティアではなく、関わる人みんなが笑顔になるのを見届けるまでやり通したいと思った」と、大学を休学した佐々木さん。長期の支援活動のためには収入も必要と考え、観光に関わる仕事を探す中で人力車の仕事を見つけた。
約2週間の研修を経て10月中旬にデビュー。研修では、先輩の車夫に付き添って倉敷の歴史、営業のノウハウなどを学んだ。「観光客への『声掛け』は苦手だが、今までにない経験なのでやりがいがある。もともと旅好きで海外の経験もあるので、外国人観光客の案内もできる」と話す。
週4~5日は人力車を引き、週2~3日は真備で支援活動を行う生活で、休みはほぼない。「来年3月までは復興支援活動と人力車の2足のわらじで頑張りたい。被災地では竹を使ったイルミネーションなど、地域の人たちが集まれるようなイベントを企画したい」と意欲を見せる。
人力車の営業時間は9時30分~日没。1区間あたりの料金は1人=3,000円、2人=4,000円。貸し切りプランも用意する。