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倉敷・吹上美術館で「田中孝明」展 下津井からの移転控え、最後の特別展

作品「柱の森」と田中孝明さん

作品「柱の森」と田中孝明さん

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 倉敷・下津井の「吹上(ふきあげ)美術館」(倉敷市下津井吹上1、TEL 090-3634-3163)で現在、特別展「田中孝明展『From Line to Line』」が開かれている。

展示作品の一つ「柱の森」

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 田中さんは倉敷在住の繊維造形作家で、同市立短期大学服飾美術学科准教授。繊維素材を用いる新しい表現の可能性をデザイン・アートの面から追求してきた。とりわけ紙繊維の分野では、新たな造形表現を模索しながらの活動を続ける。

 田中さんと同美術館との縁は、2015年の開館当時、美術館を立ち上げたメンバー3人の一人で彫刻家の片山康之さん(倉敷市在住)と意気投合したことから。「いつかは作品展を」(田中さん)という約束が2年後に実現した。

 特別展では、新作3つを展示。最も大きい作品「柱の森」は、和紙を用いて糸を硬化させる構造物シリーズの一つで、赤い巣のように見えるコウゾと麻糸製のブロックを床から2.6メートルの高さに積み上げた。「天に延びる様相」を展示室いっぱいに表現したという。

 期間中の2月18日には、羊毛を用いた「フェルトうどん」を作るワークショップを開く。3月12日には、田中さんと片山さん、田中さんと同じ学科の准教授で衣服のありようやデザインについての研究に携わる上村晴彦さん3人のトークセッション「デザイン・アートのコミュニケーション力」も予定しているといい、「ぜひ来館してほしい」(田中さん)と呼び掛ける。

 一方、同美術館は今回の特別展を最後に現在地からの移転を決めている。詳細について片山さんは「間もなく発表の手はず。今後の展開に期待してほしい」と話す。

 開館時間は10時~17時。土曜・日曜のみ開館。入館料は500円、小学生以下無料。3月19日まで。

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