倉敷駅前の商店街の路地裏に今春、ケンケンパのイラストなどを描いたアートがお目見えし、行き交う人の目を和ませている。
イラストは倉敷中央商工協同組合の有志によるもので、商店の裏側にある幅約1.5メートルの路地に、長さ約30メートルにわたって描いた。ケンケンパのほかに、動物、楽器、恐竜などもさまざまな色を使って描き、明るい雰囲気を出した。
きっかけは数年前から取り組んできたネコのふん害対策。当番制で掃除したり、トイレを作ったり、不妊去勢手術をしたりと、地道に対策を行う中で、老朽化した路面をアスファルト舗装する案が出た。同組合の古市了一理事長は「舗装が傷んで土が露出しているところもあり、凸凹で人も歩きにくく、ネコがふんをしやすい環境だった」と振り返る。
アスファルト舗装をきっかけとして、組合員から「きれいになった路面に、子どもたちが遊んだり、大人たちが見て楽しんだりできるようなイラストを描いて、裏通りを『表』と感じてもらえるようにすれば街全体がもっと明るくなるのでは」というアイデアが出た。
組合では「市民に親しんでもらえるように」という願いを込めて、この路地に「倉敷ケンパ通り」という愛称を付けた。
古市理事長は「朝市を毎月開いている場所に隣接しているので、子どもたちでケンケンパのタイムトライアルをやっても面白い。遊んだりSNSで発信したりして、みんなに楽しんでもらえれば」と話す。