「空飛ぶクルマ」の試験飛行が3月14日、鷲羽山展望台駐車場(倉敷市大畠)で行われた。
主催は航空宇宙分野の新産業創出を主な目的とする一般社団法人「MASC(マスク)」(中央1)で、「瀬戸内海国立公園指定90周年記念事業」の一環として地元の商工会議所との共催で行った。
試験飛行は2回で、関係者や近隣住民ら約100人が見守る中、鷲羽山展望台駐車場と近隣敷地の上空を大きなだ円を描くように飛んだ。各回ともに飛行時間は4分、飛行距離は460メートル、巡航速度は時速16キロ、高度は30メートル。2回目の飛行では、大人2人分に相当する米160キロを乗せた。
MASCが保有する機体「EH216」を使った試験飛行は14回目で、倉敷市内で行うのは初めて。瀬戸内海に点在する島々への物流、医療や災害対応、観光遊覧など多分野での実用化を視野に入れて2021年から試験飛行を重ねており、2023年2月には大分で国内初の有人飛行を成功させている。
MASC事務局長の坂ノ上博史さんは「地元・倉敷で瀬戸大橋を背景に飛ぶ姿を夢見ていたので感慨深い。今後も、観光や災害対応など実運用を目指した取り組みを続けていきたい」と話す。