県内の建築家らによる「古民家再生工房展」が5月14日から、町家を改装した多目的文化施設「いかしの舎(や)」(早島町早島)で開かれる。
「古民家再生工房」は、「地域の建築とは何か」を探求するために地元建築家6人(矢吹昭良さん、佐藤隆さん、萩原嘉郎さん、楢村徹さん、大角雄三さん、神家昭雄さん)が1988(昭和63)年に立ち上げた活動グループ。建築の仕事は各設計事務所が個別に行うが、事務所の垣根を越えた情報共有や批評を行うことで古民家再生を中心とする地域の建築の質の向上に努めた。会場の「いかしの舎」は、1993(平成5)年に6人が共同で再生事業を手がけた施設でもある。
同展示はサブタイトルを「35周年 工房のこれからと矢吹昭良の与えた影響」とし、写真、図面、模型、設計資料などを展示して建築家6人と弟子たちによる活動の成果を発表するとともに、早島町出身で同グループ代表の矢吹さんの功績に焦点を当てる。18日には「早島町観光センター」「早島町歴史民俗資料館」など、矢吹さんが設計を手がけた早島町内の公共施設や住宅を歩いて巡る「建築見学」イベントも行う。
同イベント実行委員の山口晋作さんは「古民家再生にモダンでポップなデザイン要素を持ち込んだ矢吹さんの影響は大きい。弟子たちも、この活動で培われた思想やノウハウを引き継いでがんばっていきたい」と話す。
開催時間は10時~17時(14日は14時から)。入場無料。5月19日まで。