倉敷の国指定重要文化財「大橋家住宅」(倉敷市阿知3、TEL 086-422-0007)で現在、備前焼作家・馬場隆志さんの個展「備前 馬場隆志 × 大橋家住宅」が開かれている。
築200年を超える町家建築を活用し、周辺地域を活性化する取り組みとして企画された同展。女性の体の曲線をモチーフにした花器「トルソ」シリーズや、ゴツゴツした岩のような表面の質感と鋭いフォルムで土の力を感じさせる「大地の器」シリーズなどを中心に約30点を展示する。
馬場さんは「大橋家住宅の雰囲気に溶け込み過ぎてもいけないし、目立ち過ぎてもいけない。作品の見せ方は搬入直前まで悩み、展示開始後も手直ししたほど」と振り返る。「従来の備前焼とは異なる形のものを展示したが、大橋家住宅の雰囲気にうまくなじんでいい空間になった。根本に備前の土があるからだろう」と話す。
馬場さんは1983(昭和58)年に備前焼作家・馬場祥輔さんの長男として生まれた。東京芸術大学彫刻家を卒業後、京都市産業技術研究所工業技術センターで1年間学び、2007年に初個展開催。2012年には備前片上駅前にモニュメントを制作した。
馬場さんは現在、中央画廊(中央、TEL 086-434-3530)で開かれているグループ展「融き放つ」にも参加中。同画廊で入館料の200円割引券を配布している(5月19日まで)。
開催時間は10時~17時。入館料500円。今月20日まで。