倉敷のカフェ・ギャラリー「バード2006」(倉敷市阿知2、TEL 086-422-0162)で現在、
陶芸家・高田裕之(たかた ゆうじ)さんの個展「髙田裕之陶展~みえないつばさ~」が開かれている。
壁掛けの花器を中心とした、普段使いの備前焼を約30点展示。テーマの「みえないつばさ」は「先行きが見えないけれども上を向いている自分の心情を表現した」という。倉敷での個展は初めて。
展示作品の多くは、ゆるやかな曲線を持つ手のひら大の一輪挿し。細くすぼまった底の部分は、支え棒を埋め込んだ木枠や台座に挿し込める仕組みになっており、壁掛けにも対応する。
「形については、特定の物をイメージして作っているわけではいが、人によって『キノコ』『鳥』『心臓』とさまざまな印象を持たれるようだ。イメージが限定されていないので、さまざまな空間になじみやすいのでは」と高田さん。
理系大学を卒業後、3年間勤めた会社を退職してから陶芸の世界に飛び込んだ。笠岡市に窯を築き独立してから8年。今年、造形作家・川埜龍三が手掛ける「犬島ハウスプロジェクト」に参加。陶板タイルディレクターとして、巨大なイヌ像の表面を覆う約2万枚の陶板タイルを焼き上げた。
「和洋問わずどんな家にでも合うものを意識して作っている。備前焼は重たいというイメージがあるが、気軽に使いやすいものばかりなので、ぜひ見て触れてほしい」と来場を呼び掛ける。
カフェの営業時間は10時~18時。今月4日まで(最終日の展示は17時まで)。