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倉敷・美観地区の「白壁コーン標識」が話題に-市職員が知恵絞り手作り

手作りの「倉敷街並み風コーン標識」

手作りの「倉敷街並み風コーン標識」

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 倉敷美観地区で、白壁となまこ壁をあしらった手作りの「コーン標識」が、静かな話題を呼んでいる。

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 同標識の誕生は、今年3月に美観地区一帯で行われた夜間ライトアップイベント「倉敷春宵あかり」の準備時期にさかのぼる。倉敷川に面した観光案内所「倉敷館」の2階窓に影絵を映し出すことから、展示に見とれた見物客が背後の倉敷川に転落しないよう、市が危険防止策を検討する中で生まれた。

 「防護柵等は必要だが、工事現場のように赤や黄のコーン標識を並べてしまってはせっかくのライトアップが台無しになってしまう」と同市文化産業局文化観光部観光課主任の西村将典さんが周囲と相談。同市観光案内所スタッフの「倉敷の街並みと同じ、白壁となまこ壁をあしらったコーン標識なら景観を損なわないのでは」とのアイデアを採用した。

 「オリジナルデザインのコーン標識を特注するとコストがかかり過ぎるので行き詰まったが、インターネットで白のコーン標識が1個あたり数百円で買えることを知った。そこで、文具店で手に入る灰色のカッティングシートを切り貼りし、手作りで白壁となまこ壁のコントラストを表現しようという話になった」と西村さん。製作にかかった時間は1個あたり約30分。西村さんを含む同市観光課の職員3人が協力して20個作り上げた。

 「実際の作業よりも、このアイデアに行き着くまでが大変だった。お金はかけられないが、主役である美観地区の景観を損ないたくないという思いで知恵を絞った」と西村さん。「部内での反応は薄かったが、大原美術館のスタッフに絶賛された。手作りなので反応があるのはうれしい」とも。

 同標識は今月、美観地区内のホタル保護のためにも設置され、デザインに気づいた観光客グループが「かわいい」「倉敷らしい」と指を差しながら通り過ぎる姿も多く見られた。

 標識は今後もイベントなどで必要に応じて設置していく予定。

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