倉敷とパリにゆかりのある国内外の若手銅版画家らによる合同展覧会「ロン・ポワン-版画の道しるべ-」が倉敷市立美術館(倉敷市中央2、TEL 086-425-6034)で開かれている。主催は「阿知版画工房」(阿知)。
出展作家のミニプリントを展示販売するカフェギャラリー「ビョルン」
同工房の代表を務める版画家・内田祥平さんが、フランス・パリの銅版画工房「アトリエ コントルポワン」で3年間活動した経験を持つことから、両工房にゆかりのある国内外の若手版画家14人による合同展示が実現した。多様性に富む31点を展示する。
フランスからは、スペイン、イタリア、中国、韓国、日本の作家8人が出展。国内からは6人が出展する。「版画は、道具や薬品を使った作業的な工程もあり、工房で設備を共用する機会が多いので、作家同士の会話が生まれて仲間になりやすい」と内田さん。
展示タイトルは「ラウンドアバウト(環状交差点)」を意味するフランス語。一瞬ですれ違う交差「点」ではなく、目指す方角に応じて他者と同じルートを共有する交差「路」であることから、それぞれの道を歩む作家同士の出会い、別れ、再会をタイトルに重ね合わせた。
「銅版画と聞くと『モノクロの緻密な線』をイメージする方が多いかもしれないが、さまざまな技法、絵のスタイル、色使いがあり、それによって見た目は大きく異なってくる。多様性に富んだ作品が集まっているので銅版画に対するイメージが変わるのでは。銅版画の認知度向上にも繋げたい」と内田さん。
同美術館の向かい側にあるカフェギャラリー「ビョルン」(中央)では期間中、「Petit Rond-Point(プチ・ロンポワン)」として出展作家のミニプリントを展示販売する。
開催時間は9時~17時(最終日は16時まで)。入場無料。3月31日まで。