アンティーク店「倉敷山陽堂」(倉敷市船倉町、TEL 086-425-4277)の軒先に設置された巨大な「ビクター犬」が現在、通行人の目を引いている。
「ビクター犬」は、オーディオブランド「Victor(ビクター)」のロゴなどで広く知られる「蓄音機に耳を傾ける犬」の通称。モデルとなった犬の名前で「ニッパー」とも呼ばれる。
軒先に飾られた巨大ニッパーは、昨年7月に亡くなった香川県の彫刻家・只野恵一郎さんが制作した作品。素材は繊維強化プラスチックで、高さは約2.7メートル。店主の安田富亘さんとは、犬好きという共通点から25年来の親交があり、只野さんの生前からの意向で同店に寄贈されることになった。安田さんの運転するトラックで瀬戸大橋を渡り、11月25日に設置された。「よく見ると、ほんとうにいい顔をしている。ずっとここに置いておきたい」と安田さん。
同店は「屋根の上に隙間なくニッパーが並べてある店」としても知られており、現在100匹を数える。数年前には、室内展示していたニッパーが2階の階段から転げ落ちて粉々になるアクシデントがあったが、只野さんが修復してくれたという。修復されたニッパーは現在、同店併設の「倉敷Dog資料館」に展示する。
多くの観光客が訪れる美観地区に隣接し、大通りにも面していることから、足を止めて撮影する歩行者の姿も多く見られる。安田さんは「この犬を設置して以来、10~20代のお客さまが増えた。入りやすいイメージになったのかもしれない。自由に見て楽しんでほしい」と話す。
営業時間は10時30分~17時。木曜定休。