倉敷・美観地区の倉敷民藝館(倉敷市中央1、TEL 086-422-1637)で現在、企画展「外村吉之介と岡山の民藝」が開催されている。
同館の初代館長を務めた民芸運動家・外村吉之介(1898-1993)の没後20周年を来年に控え開く同展。同館が所蔵する岡山県内の染織品、ガラス、陶磁器、編組品、紙工品など約200点の展示を通じて外村吉之介の功績を紹介する。
制作の全工程を1人で行うスタイルを国内で初めて確立した「倉敷ガラス」、県特産のイグサを織り上げた「倉敷花むしろ」、熊本の肥後手まりに触発された「倉敷手まり」をはじめ、「羽島焼」「備中和紙」「倉敷本染手織研究所」など、外村吉之介の指導や命名により確立された数々の民芸を展示する。
会期中は毎月、ゆかりのある民芸作家や文化人を講演者に迎えギャラリートークを開催。外村吉之介とのエピソードや受けた影響について話を展開する。
同館学芸員の森原絵理香さんは「私自身もこの展示を通じて民芸品の美しさや使いやすさをあらためて発見できた。民芸品は『用の美』というが、見ていると実際に使いたくなってくるものもある。地元の方々にとっても新しい発見があるはず」と来館を呼び掛ける。
同館は1948(昭和23)年に江戸時代後期の米蔵を改装しオープン。日本民藝館(東京都目黒区)に次ぐ国内2番目の民芸館で、世界中の民芸品約1万点を所蔵する。
開館時間は9時~16時15分(3月以降は17時まで)。月曜・年末年始休館。入館料は、大人=700円、学生=400円、小人=300円。来年6月30日まで。