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倉敷・児島下津井の海岸沿いに週末開館の新美術館 若手芸術家有志が運営

「吹上美術館」を運営するクリエイターズラウンジのメンバー

「吹上美術館」を運営するクリエイターズラウンジのメンバー

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 瀬戸内海に面した倉敷の港町・児島下津井に「吹上(ふきあげ)美術館」(倉敷市児島下津井吹上1、TEL 090-3634-3163)が開館して3カ月が過ぎた。運営は、地元の彫刻家、陶芸家、建築家を中心メンバーとする社団法人クリエイターズラウンジ。

「吹上美術館」の目の前は瀬戸内海の漁港と瀬戸大橋

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 2006年に閉館し空き家になっていた旧・荻野美術館の建物を利用し、4月4日に開館した同美術館。岡山に縁のある若手の現代美術作家の作品を中心とした特別展を年に4回、レクチャーやワークショップなどのイベントを年に約4回行う。建物は外壁になまこ壁を配した木造2階建ての和風建築で、延べ面積は約340平方メートル。

 運営する同団体は、アーティスト同士の交流と地域との交流を目的とした展示やワークショップのイベントを2010年から年1回のペースで行ってきた。代表の片山康之さんは、「地元・児島にスタジオ付きの活動拠点を探していく中で、旧美術館の建物を紹介された。当初イメージしていた物件よりもはるかに広かったが、地域住民との前向きな話し合いの中で、地域活性化の役割を担う新しい美術館を開くことになった」と振り返る。

 現在、8人の若手作家による絵画、彫刻、映像作品などを展示する特別展「Artists」を開催しており、「来場者の反応はおおむね好評で、作品の説明を求める方もあり、関心の高さを感じている」と片山さん。

 今後は、繊維産業が盛んな児島のアパレル会社とのコラボ展示や、伝統文化の保存に関わる制作活動なども企画しているという。「日本の芸術は東京が中心だが、世界地図で見れば東京も岡山も変わらない。美術館運営を通じて、地域で生きる芸術家が地域で生きていく意味を考えていきたい。学校、漁連、公民館など地域のさまざまなコミュニティーをアートでつないでいければ」と意欲を見せる。

 「作家や展示内容は全国レベルだが、特に地元や県内の人に来館してもらいたい。週末は港町・児島下津井の街歩きを楽しみながら、非日常的なアートの空間を楽しんでいただければ」と来館を呼び掛ける。

 開館時間は10時~17時。土曜・日曜のみ開館。入館料は500円で、小学生以下無料。特別展「Artists」は7月19日まで。今月25日からは、美術家・高本敦基さんの展示を行う。

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