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倉敷の企画会社が「おしゃれな甘酒」-地元の老舗造り酒屋とコラボ

米麹100パーセントの甘酒「koji100」

米麹100パーセントの甘酒「koji100」

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 倉敷・美観地区の複合商業施設「林源十郎商店」(倉敷市阿知2、TEL 086-423-6080)が地元の老舗造り酒屋と共同企画し7月に発売した米麹100パーセントの甘酒「Koji100」が話題になっている。

冷蔵庫にもびっしり

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 同施設を運営管理する「暮らしき編集部」が企画・デザインを手掛け、十八盛酒造(児島田の口)が製造を手掛ける同酒。500ミリリットル入りで840円。同施設2階の「生活デザインミュージアム倉敷」で販売(試飲あり)するほか、1階の創作イタリアン「achimachi」で食前酒として提供している。7月下旬の発売直後から話題となり、初回入荷分約300本はお盆前に完売した。

 同編集部代表の辻信行さんが5年ほど前、同酒造で飲んだ甘酒の味に感動。「甘酒は苦手だったが、それを覆された」と、商品の企画とデザインを提案し実現した。「普通の酒と一緒にただ酒屋に並べただけでは売れないのが現状。そこで普通の消費者が買って飲むまでのイメージを考え、『甘酒』よりも『麹』を前面に出したおしゃれなデザインを提案した」と辻さん。「甘酒には『独特の香りが苦手』『アルコールが入っている』『冬に温めて飲むもの』といった先入観があるが、実際はノンアルコールで、夏の飲み物。俳句では夏の季語にもなっているほど。ビタミン、アミノ酸、ブドウ糖などが豊富で、江戸時代は夏バテ防止の栄養ドリンクとして氷で冷やして飲まれていた。この文化を掘り起こし現代に伝えていく目的もある」と話す。

 同酒造社長の石合敬三さんは、「おいしい酒はおいしい麹から。70パーセントになるまで削った米で作った麹は食べてもおいしい。その味を日持ちする形で楽しんでもらうためにこの甘酒を作った。甘酒は麹と米を混ぜるのが主流だが、当社では麹だけで作っているのでストレートな味が楽しめる」と話す。

 林源十郎商店は、1934(昭和9)年に建築された旧林薬品の店舗と邸宅を改装し今年3月にオープンした複合商業施設。衣料、飲食、雑貨などの8テナントが入居するほか、「豊かさのある暮らし」を提案する発信基地として、地場産業の発展や再生につながる企画・デザイン・商品開発を手掛ける。

 「工業用にしか使われていなかったマスキングテープがおしゃれでかわいい雑貨として全国に定着したように、夏になると全国各地でその土地の甘酒を飲むような文化を復活させたい」と辻さん。「今後も地元産業の技術力や素材力を生かしたコラボ商品を開発していく」とも。

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