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倉敷・美観地区で「増田としこ 人形展」-江戸時代の生地でひな人形

人形作家の増田としこさん

人形作家の増田としこさん

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 倉敷・美観地区のギャラリー「工房IKUKO(イクコ)」(倉敷市中央1、TEL 086-427-0067)で現在、「増田としこ 人形展 -彩 色いろ 古裂あそび 雛あそび-」が開かれている。

「童子雛壇飾り」

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 人形作家の増田としこさんによるひな人形を中心に展示販売する同展。ひな人形のほかには押し絵の羽子板、童子人形、文化人形、壁飾りなど計約100点を並べる。

 増田さんの作るひな人形は手作りの一点もの。キリやバルサなどを彫った木芯に、桐塑(とうそ=キリの粉末から作られた粘土)で形を整えて作っていく。顔には胡粉(ごふん=貝殻から作られた顔料)を塗りつやを出し、表情は墨で書き込む。

 ひな人形がまとう着物には江戸時代から明治時代の古裂(こぎれ)を使う。骨董(こっとう)屋や知り合いを通じて気に入った生地を集めてくるという。「200~300年たつ生地をひな人形にまとわせることで、さらに次の100年生かし続けることができる」と増田さん。1年間に作るひな人形はだいたい12体ほどで、この時期の展示が終わり次第、来年の展示に向けての制作を始めるという。

 岡山出身の増田さんが人形作りを始めたのは30年ほど前。人間国宝の人形作家・林駒夫さんに師事し経験を積んだ。「自分が納得できる作品が作れるようになるまで20年かかった」と振り返る。

 「毎年この時期の展示を楽しみにして、初日の午前中に足を運んでくれる方もあり感謝している。量産されているものとは異なる、自分が欲しいと思えるような人形を作るよう心掛けている」と増田さん。

 開催時間は10時~18時。月曜定休。2月3日まで。

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