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藤田嗣治「舞踏会の前」修復完了 倉敷・大原美術館で2年ぶりに展示再開

大原美術館の外観

大原美術館の外観

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  倉敷・大原美術館(倉敷市中央1、TEL 086-422-0005)で現在、企画展「おかえり、フジタ - 《舞踏会の前》で藤田嗣治(ふじたつぐはる)と出会う」が開かれている。

同時期に活躍した画家の作品も

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 約1年間の修復作業を終えた藤田嗣治の代表作「舞踏会の前」を約2年ぶりに同館で展示する同展。作品とともに修復の工程をパネルで紹介するほか、藤田と同時期に活躍した国内外の画家による作品群も展示する。

 同作品は1925(大正14)年に描かれ、1957(昭和32)年に同館に収蔵された。藤田のトレードマークともいえる「乳白色の下地」に極細の輪郭線で7人の女性を描いた作品だが、展示による汚れや経年劣化により本来の色調が失われつつあったため、本格的な修復作業に踏み切った。

 修復は、BNPパリバ財団と東京芸術大学保存修復油画研究室の協力の下で行われた。紫外線、赤外線、エックス線などを照射する光学調査を経て、汚れの洗浄、変色した塗料の除去、補彩などを行い本来の色彩を再現した。

 マイクロスコープによる画面観察や絵の具片サンプルの分析も行い、「乳白色の下地」には、鉛白とカルシウム化合物を混合した顔料が使われており、その上の層にはベビーパウダーと同等の成分であるタルク(ケイ酸マグネシウム)が使われていることも確認された。

 同館学芸課長の柳沢秀行さんは「本作品がどのように修復されたのかを実際に見ていただきたい。当館の潤沢な所蔵作品の中から、本作品と同じ時代に描かれたさまざまな画家の作品を集めて展示しているのも見どころ」と話す。

 開館時間は9時~17時。月曜休館。入館料は、一般=1,300円、大学生=800円、小・中・高生=500円。9月4日まで。

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