倉敷・東町の「はしまや呉服店」(倉敷市東町、TEL 086-451-1040)で11月3日から、革作家・宮本祐樹さんのブランド「La crie(ラクリエ)」とステンレス指輪作家・カワベマサヒロさんとの合同展「偏屈上等(へんくつじょうとう)」が開かれる。
国登録有形文化財の呉服店で行う同イベント。一切縫わずにボルトとナットで組み上げた宮本さんの革製品約30点と、工業用ステンレスナットを手作業で削り出して作ったカワベさんの指輪約50点を展示販売する。宮本さんのカバンに使われるボルトとナットにカワベさんが装飾を施すコラボ作品も展示し、受注を受け付ける。
児島を拠点に活動するカワベさんの制作工程は全て手作業。万力で固定したナットをやすりで削り出し、サンドペーパーで磨き上げる。2012年からは、タガネで指輪の表面に無数の細かい点を打ち付けて模様を作り出す技法にも取り組んできた。「タガネで打つ作業は1発でも外してしまったらアウト。指輪1つ当たり数千~数万回は打っていると思う。ここ1~2年で精度も上がってきて、技術として使いこなせるようになってきた」と自信を見せる。
「制作を始めて18年たつが、最近やっと『自分にしか作れないもの』『ここにしかないもの』として胸を張って出せるようになってきた。完成の喜びはもちろんだが、作っている時間が好きだからやっていける」とも。
「1つのグループ展でなく2つの個展と捉えている。2人とも作家としては偏屈なので、そこに価値を見いだしてくれる人たちに自分たちの全力を伝えたい」と意欲を見せる。
開催時間は10時~17時。入場無料。2作家は毎日在廊予定。11月6日まで。