倉敷・美観地区の大原家旧別邸「有隣荘(ゆうりんそう)」(倉敷市中央1、TEL 086-422-0005)で現在、特別展「美術に耳をすまして」が開かれている。主催は大原美術館。
有隣荘は、後に大原美術館を設立する実業家・大原孫三郎の別邸として1928(昭和3)年に建てられた。通常は非公開だが、1997年から毎年春と秋に期間限定で一般公開し、美術展示を行っている。今回は、「音楽」と関わりの深い絵画や美術品に焦点を当て、同館所蔵作品を中心に11点の作品を展示する。
主な展示作品は、アンリ・マティスの挿絵本「ジャズ」より4点、児島虎次郎の油彩画「ピアノ」「祭の夜(タンバリン)」、小島悳次郎の型絵染「シューベルト『冬の旅』」、棟方志功が墨と淡彩で描いた「ロベルト&クララ・シューマン」、紀元前770年~紀元後220年ごろの中国で用いられていた青銅の打楽器「錞于(じゅんう) 虎形紐」など。
同館の原田佳織学芸員は「音楽というテーマを通じて、地域や時代を超えた幅広い作品がそろった。作品から聴こえてくる『音』に耳を傾け、有隣荘の空間と一緒に楽しんでいただければ」と話す。
開催時間は10時~16時30分。入場料は、一般=1,000円、学生=500円。美術館との共通パスポート券は、一般=1,800円、学生=1,000円。5月7日まで。