和のあかりを使ったイルミネーションイベント「幻想あかり 2018」が11月16日・17日に倉敷・阿智神社(倉敷市本町)の参道周辺で行われる。主催は和あかりの創作グループ「倉敷光作所(こうさくしょ)」。
「古い街並みに合う和のあかりで倉敷を盛り上げる」をコンセプトに掲げる同イベント。手作りの「切子あかり」や、和傘に映像を投影する「和傘マッピング」で、阿智神社の東参道中腹にある「斎館」の庭をライトアップする。
「切子あかり」は、同グループの「特殊光作員(こうさくいん)」を担当する須山寛子さんが2013年に考案。美観地区で毎春行われているライトアップイベント「春宵あかり」では、自身が働いている観光施設「倉敷物語館」をライトアップするために方眼用紙を切り貼りして手作りしている。
寛子さんの夫で同グループ所長の恭安さんは、デザイン・映像制作・イベント企画などの幅広いスキルを生かして2015年に「和傘マッピング」を考案したほか、「切子あかり」の設計図をパソコンで描き起こし、ペーパークラフトの組み立てキットを作った。「これまで妻が1つずつ手作りしていたので時間も手間もかかっていたが、組み立てキット化によって制作時間が大幅に短縮できた。空いた時間を新しい創作活動に費やすことができる」と恭安さん。
「従来の方眼紙よりも強度に優れた紙を使えるので、大型の『切子あかり』も作れるようになった。支えるための骨も細くすることができるので、見た目もスマートになった」とも。通常の「切子あかり」は直径約14センチだが、今回初めて直径約60センチの大型タイプも披露する。
同グループは2018年2月に発足。ライトアップイベントの企画のほか、要望に応じて「光作員」が講師を務める「切子あかりワークショップ」も行う。公式サイトでは「切子ちょうちん作成キット」の販売も行っている。京都や長野の宿泊施設から「切子あかり」の注文やカスタマイズの依頼も入っているという。
恭安さんは「全国に和のあかりを広めていきたいという野望を持って活動している。秋の宵を彩る幻想的な空間を楽しんでもらえれば」と来場を呼び掛ける。
開催時間は17時~21時。入場無料。