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映画「テルマエ・ロマエ」の「下手くそな牛乳瓶」話題に-倉敷の作家が制作

映画「テルマエ・ロマエ」に使用された牛乳瓶を手にするガラス工芸作家・水口智貴さん

映画「テルマエ・ロマエ」に使用された牛乳瓶を手にするガラス工芸作家・水口智貴さん

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 倉敷市内で「吹きガラス工房 ぐらすたTOMO」(倉敷市広江)を運営するガラス工芸作家・水口智貴さんが映画「テルマエ・ロマエ」の小道具用に制作した牛乳瓶が、映画のヒットとともに話題を集めている。

「下手くそな牛乳瓶を作って」の要望に応えた作品

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 同作品は同名コミックの映画化作品。阿部寛さん演じる古代ローマ帝国の浴場設計師ルシウスが現代の日本にタイムスリップし、銭湯の文化を持ち帰るコメディー。4月末の公開から人気が広がり、6月に50億円を超えるロングヒットとなっている。

 水口さんが制作したのは、日本の銭湯で入浴後の牛乳を経験した主人公ルシウスが、古代ローマ帝国に戻った際に見よう見まねで制作した牛乳瓶。昨年、同作品の小道具担当者から話を持ち掛けられた。「統一感のない、下手くそな出来栄えの牛乳瓶を作ってほしい」という要望に応じ、サイズはバラバラ、形はぐにゃぐにゃ、透明なものから気泡入りのものまで、さまざまな種類の試作品を数十本制作。最終的に緑がかったガラスで作ることが決まり、約1週間かけて約70本を制作したという。

 下手くそな牛乳瓶を作るために、吹いたガラスをたたいて厚みにバラツキを持たせ、成型時には吹いたガラスを吸い上げることでへこみを作り出した。牛乳瓶の口部分も、いびつな形になるようにガラスを巻きつけた。

 「かっこいいガラスを作る」ことが信条の水口さんにとって正反対の仕事となったが、「自分の中にないスタイルなのでいい経験になった。吹きガラスの魅力を知ってもらういい機会になるので、話題になっていることはとてもありがたい」と、水口さんは前向きに捉える。

 水口さんは愛媛県生まれ。倉敷芸術科学大学工芸学科ガラスコースで学び、故・赤澤清和に師事。2007年に同工房を設立し、自身の作品制作と並行して、吹きガラスの体験講座なども積極的に開いている。

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